撮影日記


1997年09月24日(水) 天気:はれときどきくもり

初心者にはどんな一眼レフがいいか

古い友人の印天氏がカメラを買った。キャノンのEOS kissである。さっそくあちらこちら撮り歩いているようだ。
 初心者はどんなカメラを買えばよいのか。その初心者氏がどういう考えを持っているかによっても変わってくるだろう。たとえば,次のように3つのケースが考えられる。


1.「私は初心者だから,基礎からきっちり勉強がしたいです。」
2.「私は初心者だからよくわかりません。簡単に写るやつがいい。」
3.「私は初心者だけど,最初からいい道具でチャレンジしたい。」

1のようなケースであれば,昨日の日記に書いたようなローエンド一眼レフカメラがいいのではないだろうか。写真撮影のための必要十分条件がそろっている。ピントの合わせ方,絞りやシャッタースピードの選び方などもっとも基本となる部分をいろいろと練習できることであろう。少なくとも,AF機が主流になる以前は,みんなそうやって写真を覚えていったはず。「写真はまず技術を磨くことだ」と考えている方なら,きっと初心者氏にローエンド一眼レフカメラを薦めるであろう。初心者氏も価格が安いことから抵抗なく購入するに違いない。
 また,「写真はセンスだ」というセリフが好きな方なら,初心者氏にはいわゆる入門機と呼ばれるクラスのAF機を薦めるであろう。そして,レンズは超高倍率ズームだ。とにかくいろいろ撮ってみること,これも1つのスタイルである。
 ところで,私は「写真はセンスだ」という主張は認めない。「センス」はよい作品を作るための重要な要素ではあるが,それがすべてではない。「たしかな技術」「適切な機材」と三位一体になるべき1つの要素であるのだ。しかし,初心者氏にカメラを薦めるときは,このクラスのカメラを薦める。28mm〜200mmクラスの超高倍率ズームもいいが,安いWズームセットでも十分だろう。私がこのクラスのカメラを薦めるのは,2のケースのような初心者氏には,まず写真を撮る楽しさを経験してもらいたいからである。まずは,きちんと写ることが大切なのだ。
 3のケースもおもしろいだろう。「私は初心者です。いろいろ教えてください。」なんていいながら,Nikon F5にサンニッパなどつけていようものなら,間違いなくネタミの対象になるだろう。その空気を肌で感じた初心者氏は,立派な機材に見合うだけの実力をつけねばならないと努力をするのである(笑)。


← 前のページ もくじ 次のページ →