撮影日記


1997年08月25日(月) 天気:はれ

メカニカルカメラは
自分で直せることもある

昨日,弥山に登ったとき,10kg超という機材の重さに耐えかねて,何度も休憩をしたものだ。だから,後から登ってきた人に抜かされる。いつもはがんがん抜かしていた方だから,気分的にも苦しい。
 抜かして行った人のなかに,2人連れの若い女性がいた。高校生かと思っていたが,そのうち1人は「会社で」写真愛好会に入っているという。なんでもミノルタαなんとかを¥3,000で譲ってもらったという。いわゆるWズームセット状態なようだ。それで街中の建物などを中心にスナップしているそうだ。もう1人はデジカメが欲しいと言っていた。
 やっぱり世の中はちょっとした写真ブームなのだろうか。

弥山にもカメラを持った人が多く登ってきていた。基本的に家族のハイキングが多いようで,ビデオカメラも持ってきている人が多い。一眼レフカメラも多く見かけるが,ほとんどが最近のAF機である。MF機は唯一,Canon AE-1にズームをつけていた人がいたくらいだ。各社とも現行のAFシリーズが発売されて10年以上になるわけだから,MF機の多くは淘汰されていても当然だろう。
 ところが,私は相変わらずMF機がメインである。なんだかんだ言っても,「慣れ」が一番だろう。ピントも露出も,自分で確認したいものだから。もちろん,AF機の方が有利だと思う被写体に対しては,AF機を用意するし,コンパクトカメラが最適だと思えば,欲張ったりせずコンパクトカメラだけを用意する。大切なのは適材適所。変に固執していたりはしない。
 でもたまに居るよね,変なこだわりを持っている人。「ライカでなければカメラじゃない」とか「写真はセンス。レンズ付きフィルムで十分。」とかね。どっちもどっちだな(笑)。

さて,弥山山頂の展望台から,瀬戸内海を見下ろした。苦労して運んだMamiya-Sekor 250mm F5レンズを装着していざ撮影……と思ったら,シャッターダイヤルがグラグラになっている。そして,シャッターのチャージもできない。げ,壊れていたのか!?
 このレンズは,はっきり言って古い。カタログ落ちしてから約10年。メーカーに部品があるかどうか疑問だ。レンズシャッターなのだが,そこに使われている「セイコー0番」もすでに製造が終わっているという(1997年4月25日の日記を参照)。最悪の場合は「部品がないので修理できません」,あるいは「関東カメラサービス」のようなところへ修理を依頼しなければならなくなるのだろうか!?
 その場は,シャッターダイヤルを押さえながらチャージすればシャッターが切れることがわかり,とりあえずはしのぐことができた。そして帰宅して食事を済ませると,すぐにレンズの点検をはじめた。
 まず前群をはずしてみる。鏡筒横の小さなネジをゆるめると,簡単にはずれた。中を見ると,シャッターがチャージできない原因がわかった。シャッターや絞りが組みこまれている中群がグラグラになっていたのだ。これをしめているのは後ろ側のようだ。前群を元に戻して,こんどは後群をはずす。こちらは難しかったが,なんとかはずすことができた。案の定,中群をしめるはずのネジがゆるんでいる。しっかりしめてやり,後群を元通りにする。そして,シャッターを切ってみる。カチャ。レンズシャッターの音は無駄がなく,歯切れよくていいねえ(笑)。シャッターは無事に元通りになったのである。

少し古いメカニカル式カメラは,けっこう単純な部分があることがわかった。ちょっとしたことなら自分でも不調の原因を突き止め,修理対応することができるみたいだ。とくに今回の場合は,中判用の望遠レンズだったので無理に小さく作られておらず,対応しやすかったのだろう。

Nikon F3, Ai NIKKOR 200mm F4 + TC-200, EB

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