撮影日記


1997年04月06日(日) 天気:曇り,夕方ちょっと晴れ

20年前に絶賛されていたレンズ

Mamiya PRESS 用 Mamiya-sekor 50mm F6.3

朝からどんよりと曇っている。今,サクラがちょうど満開なのに,ここ数日は曇天ないし雨天続きである。お花見ならばなんとか決行できるかも知れないが,撮影については少しつらいものがある。
 今日も曇りである。夕方,ちょっとだけ晴れてきたが,今さら撮影の態勢はとれない。雨ならはっきり雨が降ってほしかった。そうすれば雨の中のサクラの構図を試みることもできただろうし,花見客もいなかっただろう(笑)。次は,花がいっせいに散ってしまった直後の地面を絵にしたいのだが,案外しぶとく,なかなか散らない。我ながら勝手なことばかり考えているなあ。

天気回復の見込みがないので早々に帰宅すると,「梅から生まれた梅太郎」氏からの速達郵便が届いていた。中を見ると,20数年前のカメラ雑誌のコピーである。2種類入っていたが,1つは1974年の「マミヤプレス スーパー23」と「マミヤ ユニバーサルプレス」の評価記事であり,もう1つは1979年の「マミヤ ユニバーサルプレス」の評価記事である。
 「梅から生まれた梅太郎」氏の話によると,この本の記事は,いわゆる「ヨイショ」記事ではなく,全体に辛口に書かれているとのこと。最近彼が凝っているPENTAX Mレンズのことがボロクソに書かれていた,と憤っていた。
 そういう先入観をもちながら読んでみると,マミヤプレスは案外高い評価を受けているのである。1974年の記事にある「端正な感じの外観」「ファインダーが大きくて見やすい」などの評価は,最近のカメラしか知らない方には「?」であろう。1979年の記事には,「このカメラにこれから新しいユーザー層が生まれるとは思えない。」とある。まさにその通りだ。事実,10年くらい前にカタログから消えているのである。あらゆる自動化と無縁なカメラなのである。このあたりの操作性などについては,別の機会に個人的思いも含めて書いてみたい。

この記事では,本体だけではなく,システム全体としての評価がなされている。したがって,主要な交換レンズも一通りの評価がされていた。1974年の記事と1979年の記事では,評価基準や測定方法が若干異なるのだろうか,必ずしも両者の結論が一致しているとはいえないところもある。しかしながら,全体的に高い評価を受けているのには驚いた。とくに先日買ったばかりのMamiya-sekor 50mm F6.3という超広角レンズの評価が異常に高い。記事中のデータによれば,懸念していた周辺での光量や画質の低下が案外目立たないのである。これは実際に撮影したフィルムを見てみないとわからず,このレンズで撮影したフィルムをまだ現像していないため,気になっていたのである。一方, 65mm F6.3, 100mm F2.8, 250mm F5は厳しい評価を受けていた。250mm F5にはけっこうお世話になっているので,少し辛いものがある。

実際に撮影した「絵」は,こういう測定データの結果をそのまま反映するとは必ずしも言えない。測定データは悪くとも,よい味を出すレンズもいろいろと耳にする。しかし,この記事で絶賛されたように,基本性能に余裕があるならばそれだけ撮影も楽になるはずである。
 20年前のこれらの測定には,モノクロフィルムが用いられている。したがって,色の再現性などについてはふれられていない。マミヤプレス用レンズについては,露出がアンダー気味のときに全体が青っぽくなる傾向がかなり顕著であるように感じている。おそらくコーティングがよくないためだろう。カラー撮影においては,最近の製品には太刀打ちできないのかもしれないが,それでも十分に実用になる。各社の現行機種は,6×7判や6×4.5判が主流になっているので,6×9判の撮影が手軽にできるシステムとしての魅力は失われない。

標準レンズ付きの中古価格はあまり高くないので,これから中判撮影をはじめようと思う方には,ぜひ購入の際の選択肢の1つに加えていただきたいと思う。ただし, 75mm, 100mm, 127mm 以外のレンズは,入手しにくいかもしれない。そして,今でもマミヤプレスを持っている方は,いつまでもマミヤプレスを愛用してあげてほしい。

このウェブサイトを立ち上げて以後,何人かの「マミヤプレス」を愛用されている方や「マミヤプレス」に関心をもたれている方からメールをいただいた。外国の方と思われるケースもあり,英文のメールの読み書きには苦労した。ここらでひとつ,「マミヤプレス・ファンクラブ」でも立ち上げてみようか(笑)。


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