撮影日記


1997年03月30日(日) 天気:すーぱーいい天気

マミヤプレス用50mm F6.3レンズ

私はニコン党である。しかし,しょせんは35mm判にすぎない。中判の画面サイズを一度体験すると,やっぱりおもしろく,やめられない。

私の使っている中判カメラは,マミヤユニバーサルプレス(Mamiya Universal Press)である。最近,カメラに関心をもちはじめた方は,ご存じないかもしれない。1990年代にはいるとカタログから完全に消えてしまった,古いシステムなのである。
 マミヤプレスというシリーズのカメラは,全盛期(1960年代)には,営業写真用としてかなり普及していた。レンズも超広角から望遠までそろっていた。その後,PENTAX 6×7やMamiya RB67などの登場により,営業写真の分野で6×7判一眼レフタイプが一般化していき,次第に影が薄くなっていったのである。マミヤプレスシリーズはなによりも速写性に欠けるのである。

幸い,私はネーチャンフォトよりもネイチャーフォトの方に関心が高いので,少なくとも中判カメラには速写性を要求しない。むしろ,撮影に手間がかかる方が,被写体とじっくり向かい合えるというものだ。譲り受けたマミヤユニバーサルプレスであるが,交換レンズを見つけては,広角75mm,標準100mm,127mmそして望遠250mmと,少しづつシステムを充実させてきたのである。そして,最後にさがしていたものは,超広角50mmレンズである。
 前にも述べたが,古いシステムなのでレンズはもはや中古カメラ店でしか入手できない。さらに営業写真用としての性格の強いこのシステム,標準系のレンズはよく見かけるが,望遠ならびに超広角はなかなか見かけることがない。それがこのたび,ようやく入手できたのである。

今回の買物には,値段交渉においてmahalさんに非常にお世話になった。この場をお借りして,あらためて御礼申しあげたい。さて,このレンズを買いに店に行ったとき,いきなり「営業写真に使うんですか」と聞かれてしまった。今でも,マミヤプレスは営業写真用カメラというイメージが残っているんだなあ,と感じる。それに対して,「いえ,まったくの趣味で使うんですよ」「これで,超広角から望遠まで,一通りそろいましたよ」と答えると,「ほう,それは珍しい」と店主。そんなものかと疑問に思うが,まあ,そんなものなのだろう。

購入してすぐ,平和公園へ移動して実写テスト。5〜7分咲きのサクラや,保存か取り壊しかで議論されている「レストハウス」などをねらう。さすがに,開放値F6.3は暗い。構図が確認しにくい。さらに被写界深度が非常に深い。2〜3段絞ればほとんどパンフォーカスになるが,厳密なピント合わせにルーペは不可欠だ。あと気になるのは周辺減光やフィルタによるケラレだが,これは現像されたものを見て確認したい。やはり私は1カット1時間くらいのペースでしか撮影できないようで,結局フィルム1本撮り終われなかった。

Mamiya Universal Press, Mamiya-sekor 50mm F6.3, EPN

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