1997年03月09日(日) 天気:絶好の薄曇り
部分日食撮影記
天気の表現が変だと思うなかれ。
ほんとうに「絶好」だったのである。
今日は,モンゴルを中心に皆既日食が観測できる日だった。そして日本でも,太陽が半分以上欠ける部分日食が見られることになっていた。
今回は,部分日食の連続撮影を試みた。太陽の光は非常に強いので,それをうまく減光しなければならない。天気が薄曇りというのは,天然の減光フィルタとなるのである。薄曇り程度ならば,太陽の形は十分に判別できるのだ。
しかし,それだけでは減光が十分ではない。さらに減光のためのフィルタが必要になる。そこで,もっとも古典的?な方法である,「すすガラス」をつくることにした。そのためには,古い,傷だらけになったスカイライトフィルタに犠牲になってもらう。スカイライトフィルタをローソクの炎に近づけ,まんべんなく「すす」をつけていく。そして太陽にかざして,太陽がオレンジ色にくっきり見えるところで「OK!」。
広島で日食が見られるのは,08時40分ころから11時05分ころまで。そこで,東から南によく開けた,西区竜王公園を撮影場所に選ぶ。駐車場が開くのは08時30分らしいのだが,8時前にはすでに開いていたので,さっさとはいりこむ。そして,太陽の移動方向の見当をつけ,カメラを三脚にセット。そして,ローソクに点火し,フィルタに「すす」をつけていく。できあがった「すす」フィルタの「すす」が落ちないように,「すす」をつけた面に別のスカイライトフィルターを重ねて,できあがり。
連続撮影用のカメラは,28mmレンズをつけたNikon F-801。このF-801には,マルチコントロールバックMF-21をつけているので,インターバル撮影が可能である。インターバルを8:41から11:11まで,5分間隔に設定。多重露出もセットして,タイマースタート!「すす」フィルターをつけるのも忘れないように。あとは自動的に5分ごとにシャッターをきってくれるので,たいへん楽である。ただし,多重露出がいちどに9回までしか設定できないため,ときどき多重露出の回数を追加してやる必要はある。
インターバルの5分間の間に,別にNikon FMを用意し,200mm+2倍テレコンバータで欠けはじめや最大食のころの撮影をおこなう。
ということで,撮影は無事に完了。しかし,問題が1つ。自作「すす」フィルタの露出倍数がわからないのだ(笑)。つくるたびに濃度が違うのだから,事前のテスト撮影も無意味(笑)。あとは,露出が大幅に間違っていないことを祈るのみである。
ところでヘール・ボップすい星だが,尾の存在が肉眼でもわかるようになってきた。
Nikon F-801, Ai NIKKOR 28mm F2.8, VX100
Nikon F-801, AF Zoom-NIKKOR 35mm F3.3-4.5, VX100
Nikon F-801, AF Zoom-NIKKOR 35mm F3.3-4.5, VX100
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